2/28 第43回 卒業証書授与式

別の記事でも紹介がありましたが、本日(2月28日)は43期生の卒業証書授与式でした。3年間で大きく成長した皆さんの姿をとても頼もしく感じました。皆さんがこれまでの西寝屋川高校での経験を大切にしながら、新たなステージで活躍することを心から祈っています。以下、校長の式辞を記します。

厳しかった冬の寒さもようやく和らぎ、淀川を渡る春風に乗って、梅の香りも漂う季節となりました。この佳き日に、大阪府議会議員 上田 健二 様、肥後 洋一朗 様、寝屋川市教育委員会 ご代表様をはじめ、ご来賓の皆さま方のご臨席を賜り、第四十三回大阪府立西寝屋川高等学校卒業証書授与式を挙行できますことは、卒業生一同はもとより、在校生・教職員にとりましても、大きな喜びでございます。また、ご多用のなかご出席いただきました保護者の皆さまにも、心よりお礼を申しあげます。

ただ今卒業証書を授与しました153名の卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。今を遡ること約3年前、この場で皆さんに対して入学式の式辞を述べたことが、昨日のことのように思い出されます。そのとき、皆さんに考えてもらいたいこととして、2つのことを話しました。ひとつは「自分を理解すること」、もうひとつは「他人を理解すること」でした。この3年間を振り返ってみて、皆さんは自分と他人を理解することができたでしょうか。「理解することができた」と100%言い切れるほど、自分と他人を理解するのは、決して生易しいことではありません。しかしながら、ここにいる卒業生の皆さんは、西寝屋川高校での授業や学校行事において、ときには悩みながら、自分を理解するための経験をたくさん積んできました。また、自分とは考え方の異なる人たちとも、多様な価値観を認め合えるように、他人を理解することにも努めてきたはずです。皆さんは、間違いなく、ここ西寝屋川高校で「自分を理解する」「他人を理解する」経験をふまえて、一人ひとりが成長し、今日の卒業式を迎えたものと確信します。どうか、今日卒業の日を迎えたことに自信を持ってください。

さて、これから先、皆さんが歩んでいく道のことを考えてみましょう。これからの未来社会では、技術発展がさらに進み、変化も激しく、ますます予測が難しい状況になるでしょう。世のなかはあらゆる情報であふれ返り、価値観も多様化するでしょう。知りたい情報をいつでも得ることができ、あらゆる価値観が認められる状況は、一見よい環境のように思えますが、考え方や行動を誤ってしまうと、自分を見失ってしまうことにもなりかねません。実業家の稲盛和夫さんは、次のような言葉を遺しています。「常に明るさを失わず努力する人には、神はちゃんと未来を準備してくれます。」つまり、努力をすれば何らかの結果が必ず付いてくるということです。未来社会がどれだけよい環境であっても、その環境は、努力があってこそ生かされるものです。「なんでもできる」よい環境が「なんでもアリ」になってしまわないように、「流されない強さ」を常に持ち続けてください。西寝屋川高校で学んだことを礎として、自分にとって必要な情報は何かを見極め、多様な価値観のなかで自分にとって正しいものは何かを、適切に考え、判断し、行動できるよう、皆さんがそれぞれの道で力を発揮することを、大いに期待しています。

さて、本日ご臨席を賜りました保護者の皆さま、お子さまのご卒業、誠におめでとうございます。3年間の高校生活を経て、大きく成長されたお子さまの晴れ姿をご覧になられ、感慨もひとしおのことと存じます。多感な青春時代ゆえ、一筋縄ではいかない場面もあったことと思います。しかしながら、いかなるときもお子さまの成長を願い、一貫して寄り添い、見守ってくださったことに、心から敬意を表します。また、本校の教育活動に多大なるご理解とご協力をいただきましたことに、教職員一同、深く感謝を申しあげます。

結びになりますが、これから新しい世界へとはばたく卒業生の皆さんにとって、明るい未来が広がりますように、健康と活躍を心から願い、式辞といたします。

令和7年2月28日 大阪府立西寝屋川高等学校長 谷廣 進一